裁縫の基本といえば手ぬいですが、普段あまり手縫いをしない方は、どの場面でどんな縫い方をするべきか迷い、なんとなく「なみぬい」で対処しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
手ぬいだけでも縫い方の種類は意外に多く、聞き慣れない縫い方、実践したことのない縫い方はなかなかイメージが湧きにくいものです。
さまざまなアイテムを作る際はもちろん、ちょっとしたほつれを直したり、仮ぬいをしたりと、手ぬいのスキルが必要となる場面は何かと多いもの。
手ぬいは裁縫のファーストステップ。縫い方の種類や手順、どんな場面で使用するかといった裁縫の基礎をマスターし、今後の作品づくりに役立てていきましょう。
基本となる4つの縫い方を覚えよう
まずは基本の縫い方を覚えましょう。裁縫をするうえで必ず覚えておきたい4つの縫い方をご紹介します。
■なみぬい
なみぬいとは、布の表と裏を等間隔で縫っていく縫い方です。布と布を縫い合わせるときや、仮ぬいをするときなどに使います。最も基本的な縫い方となりますので、初心者の方はまずなみぬいからおさらいしておきましょう。縫い目がきつくならないので、さまざまな生地を縫うことができます。
【手順】
1. 玉結びをしたら針を表から裏へ刺し、ひと針分(約5mm)進める
2. 等間隔になるように、裏→表→裏と順番に縫い進める
3. 10cmほど縫ったら布を指で軽くしごいで縫い目を整える
4. 2と3を繰り返し、縫い終わったら玉止めする
■ぐしぬい
ぐしぬいとは、なみぬいと同じ手順でより細かい間隔(約2mm)で縫っていく縫い方です。
なみぬいと同様に布と布を縫い合わせるときに使います。また、繊細で美しい生地を使った和服を仕立てるときなどにも使われます。
縫い終わりに糸を引っ張ることで綺麗なギャザー(布が寄り集まった状態)を作ることもできるので、ギャザーを使った立体的なデザインを作るときにも役立つ縫い方です
■半返しぬい
半返しぬいは、ひと針縫うごとに縫い目の半分まで戻ることを繰り返す縫い方。
なみぬいよりも丈夫な縫い方なので、ミシンぬいの代わりや、ほつれを直すときなどに使います。
表から見るとなみぬいのような仕上がりになるため、縫い目を目立たせずにしっかり縫いたいときにおすすめです。
仕上がりは柔らかくなるので、薄手の布や柔らかい布、伸縮性のある布は半返しぬいで縫いましょう。
【手順】
1. 半返しぬいを始めたいところで、針を表に出す
2. 縫い目の長さの半分まで(0.5針分)針を戻し、針を表から裏へ刺す
3. 1.5針分先に、針を裏から表へ刺す
4. 2と3を繰り返し、縫い終わったら玉止めする
■本返しぬい
本返しぬいは、ひと針縫ったらひと針戻ることを繰り返す縫い方です。
半返しぬいと同様に、ミシンぬいの代わり、ほつれの直しなどで使います。
ミシンのように目が詰まった仕上がりになるのが特徴です。
とても丈夫な縫い方なので、洗濯の頻度が高いものや、厚手の布、強度が必要な袋物を縫うときなどは本返しぬいを選ぶとよいでしょう。
【手順】
1. 本返しぬいを始めたいところで、針を表に出す
2. 前の縫い目のところまで(1針分)針を戻し、針を表から裏へ刺す
3. 2針分先に、針を裏から表へ刺す
4. 2と3を繰り返し、縫い終わったら玉止めする
縫い方の種類を覚えれば裁縫の幅が広がる
縫う場面はさまざま。「しつけぬい」や「本ぬい」、「裾上げ」などがあり、どのような作業をしたいかによって適切な縫い方を選ぶ必要があります。
生地の端や裾などを処理する方法については、下記リンクからご覧ください。