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【トラブル防止】ハンドメイドサイトでの作品制作、販売での注意点



ハンドメイドの作品作りに少しずつ慣れてくると、「自分の作品を販売したい」と考える方もいるでしょう。

しかし、ハンドメイド作品を販売する際、知っておかなければならない注意点も少なくありません。過去には「違法」「利用規約違反」となる禁止行為をしてしまったため、大きな問題となった事例も ……。

今回はハンドメイドサイトやフリマアプリのように、オンライン上で物品の売買を行うサービスを利用するうえで知っておきたいポイントや注意点を解説します。

販売目的でのハンドメイド制作での注意点



友人や家族に頼まれてハンドメイドの作品を制作する場合は「私的利用」となりますが、販売する際にでは以下のような点で注意しましょう 。

既存のレシピではなく、オリジナルでの作成




イラストや文章、ハンドメイド作品をはじめとする創作物、つまり「著作物」を生み出した「著作者」には、「著作物を保護する権利」である「著作権」が与えられます。

第一条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二 著作者 著作物を創作する者をいう。
<著作権法>


YouTubeやInstagramでの作り方解説動画や、ハンドメイド作家のレシピ本を参考に制作したことがある方もいるかもしれませんが、ハンドメイド作品を販売する場合、作品はオリジナルに限られます。

一部の汎用的な技術や作り方をもとに制作することを除き 、SNSや書籍で発表されている作り方やデザイン、キットで制作したものなど、制作者が著作権を有している作品を 自分のオリジナルのように販売することは、著作権違反となります。

商用利用NGのものを避ける

著作権と同じ「知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利」の中には「商標権」や「意匠権」がありますが、「商標権」はブランドの目印となる標章の権利を保護する産業財産権、「意匠権」は建築物や物に付されるデザイン等を保護する権利です。

参照:商標制度の概要/特許庁意匠権と意匠出願/日本弁理士会

子どもに人気のキャラクターがプリントされた生地や、ブランドの生地のほか、作品にアイドルグループのロゴを許可なく刺しゅうして販売する、既存のロゴを模したデザインを刺しゅう して販売することは、商標権の侵害にあたるためNGです。2021年には人気漫画のキャラクターをあしらったマスクカバーを無断で販売した男性が著作権違反の疑いで書類送検された事例もあります。
商用利用ができない生地の耳の部分には「このプリントは契約により製品化して販売することは禁じられております」といった注意書きが記載されているため、販売する作品の生地をあらかじめ確認しておきましょう。

ハンドメイドサイトでの販売時の注意点




ハンドメイド作品を制作したら、アプリで販売するために紹介文を書き、梱包と出荷作業を行います。その際もまだまだ注意しなければいけないポイントがあります。

手紙を同封しない


購入してくれた方に対し、感謝の気持ちを伝えようと手紙を同封するのは郵便法において違法となります。

しかし郵便法には「貨物に添付する無封の添え状又は送り状はこの限りでない」とあるため、封をしていないメッセージカードを同封することは問題ありません。

キャラクターやブランド名の利用

キャラクターやブランドの生地を使うことだけでなく、キャラクター名やブランド名、漫画やアニメのタイトルは商標登録されていることがあり、無断で使用すると商標権の侵害となります。

フリマアプリでは検索の対象にしようと紹介文に「◯◯が好きな人」「◯◯風」といった一言を入れているユーザーも見られますが、近年では利用ルールが改定され、作品名へと入れた場合に違反とするアプリも増えています。

「ノークレームノーリターン」のような記述を書く




「ノークレームノーリターン」とは、売手側による「苦情と返品は受け付けません」という意思表示を意味しますが、「ノークレームノーリターン」の記述を禁止しているフリマアプリも少なくありません。

素材の色合いや風合いが異なることから個体差があることを示したい場合には、「ノークレームノーリターン」ではなく「ハンドメイド作品ならではの個体差があることを事前にご理解いただいたうえで購入をお願いします」という内容の記述にすると良いでしょう。

作品の破損や数量不足、梱包不良などがあった場合、販売側は適切に交換・修補などを行うことで「もしもの場合にもフォローをしてくれる」という印象を与えてリピーターになってくれる可能性もあります。

トラブルを防止してハンドメイド作品を 販売しよう


ハンドメイド初心者であればあるほど、オリジナルのデザインをゼロから立ち上げるハードルの高さから販売を諦めてしまうかもしれません。しかし、全く異なる既存のアイデアを組み合わせることも、立派な作品作りでもあります。自分でオリジナルの作品を創作する楽しさを追求すれば、ハンドメイドの面白さをより感じられるでしょう。

トラブルを事前に避けるため、リサーチを徹底してハンドメイド作品の販売に挑戦してみてはいかがでしょうか。

※この記事の内容は、2022年12月現在のものです。
※この記事でご提供する情報は、その正確性と最新性の確保に努めておりますが、完全さを保証するものではありません。
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