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【インタビュー】子どものやる気をアップさせる秘訣とは?

子どものやる気をアップさせる秘訣とは?

「レッスンではその子が欲している言葉を考えている」
VALLEY SEWING JAM(ヴァレイソーイングジャム)敦賀校・堀居先生に子どものやる気をアップさせる秘訣をインタビューしました。


ソーイングジャム

お子さまがミシンでのソーイングを学べる洋裁教室、VALLEY SEWING JAM。
6歳からソーイングを学べるこの教室では、日々真剣なまなざしでミシンへ向かう子どもたちの姿が見られます。

今回は、そんなVALLEY SEWING JAM敦賀校で指導をされている堀居先生にインタビューを行いました。
ハンドメイドやDIYが好きなご両親の影響もあり、幼い頃からものづくりが好きだった堀居先生。
かつては家庭科の先生として働くなかで人に教える難しさや楽しさを知り、「いつか洋裁教室を開きたい」という夢を抱いていた堀居先生に、普段の指導で心がけられていることやお子さまがソーイングを通じてどんな体験をしているか、どんな成長につながっているのかをお聞きしました。

一方的な指導ではなく、本人の意思に委ねている


ソーイングオアシス先生紹介

――堀居先生が講師としてお子さまの生徒さんに接するうえで、意識しているポイントについてお聞かせください。

堀居先生:レッスンでは、「その子に今必要な声かけは何か」を常に考えています。
たとえばレッスン中に失敗してしまったり、完成したものの出来上がりに納得できないような生徒さんに対し、「どうしたらいいと思う?」「先生はこう思うんだけど、どうする?」と呼びかけています。

生徒さんの性格はもちろん、ソーイングの経験も全員異なります。
正解を教えて欲しがっているのか、ヒントで良いのか、答えを言うべきなのか、考えさせるべきなのか......一方的に「やり直そう」と言ってしまえば簡単ですが、「先生がやり直した方がいいって言ったから」という理由で直すのと、自分で考えて直すのは、同じようで違います。

それでも、自分では判断できずに「どうしたらいいのかわからない」と悩んでしまう子もいるかもしれません。そんなときは、別の子の話題を出して「あの子はこんなふうにしていたよ」といろんなアイデアを示していますね。

――そのほか、お子さまに声をかけるときに心がけていることはありますか。

堀居先生:生徒さんの性格だけではなく、その日の体調やコンディションも注意深く見るように心がけています。教室に来て「今日はプール行ってきたよ!」と言われたら、「あ、かなり疲れてるんだな」と判断して雑談を混ぜながらゆるくやっています。

そして子ども向けの1レッスンは1時間半なのですが、物作りが好きな子にとってこの時間はあっという間で、「もうお母さんが来ちゃった」なんてことも珍しくありません。「学校の授業2時間分も集中し続けられるなんてすごいね」と伝えています。

低学年の子は集中するのが難しい場合もあるので、「休憩しようか」「あと30分だからここまで頑張ろう」と呼びかけていますね。

――生徒さんのやる気と主体性を伸ばすための、効果的なコミュニケーション方法はありますか。

堀居先生:誰かと比較するのが苦手な生徒さんもいるので、「あの子はここがいい。あなたはここがいい」としっかり良いところを言うようにしています。やはり褒められると笑ってくれますし、生徒さん自身も意識してその後のレッスンで伸びていく姿を見ているので、いいなと思ったところはどんどん伝えています。

――自分では気づけなかった良いところを先生に褒められるのは、生徒さんにとってもやはり嬉しいものですね。では、お子さまは、ソーイングによってどのようなことが学べると思いますか。

堀居先生:VALLEY SEWING JAMの教室では工程が写真付きで細かく解説されているテキストを読み進めつつソーイングを学んでいくことが主なのですが、多くの生徒さんは洋裁の専門用語がわからなかったり、「ここを縫うことで生地がどう変化するのか」がイメージができず困惑されています。それでもテキスト通りにやってみて、数をこなすうちにテキストの文章や図などを読み取る力もついていくように感じています。
つまり、子どもは興味や関心をもったものに対して、自然とどうアプローチすべきか、どう実現しようかを考えるようになります。試行錯誤を繰り返す中で、どうしたら実現できるか、自分なりに解決策を見つけだすようになります。

――ソーイングは、やはり数を経験していくことで理解が深まっていくのですね。

堀居先生:実際に敦賀校オープンのときから1年ほど毎週受講されている小学6年生の生徒さんがいるのですが、通い始めたときと比較してテキストのレシピを読んで作業のイメージが思い描けるようになっていく様子は見ていて驚きますね。レッスンを積み重ねてきた結果がこういった形になっているのかと思いました。

ソーイングを通じてものを大切にする心を育む



――堀居先生は、お子さまの生徒さんとミシンを使ってモノづくりをする価値をどのように感じているのでしょうか。

堀居先生:ソーイングやミシンに限らず、私はやはり生徒さんに「自分の手でものを作ることは楽しい!」と感じて欲しいです。

ソーイングでは、自分の手で作り出したという達成感や喜び、「世界にひとつの自分だけのもの」という感覚が、「ものを大切にしよう」という心も育むように感じています。

――安い金額ですぐに新しいものが買える時代ではありますが、そのような気持ちはお子さまにエコを考えさせるきっかけにもなります。

堀居先生:私自身もお金を出して美しく仕上がったものを買うことは好きですが、ソーイングによって少しずつ作品が完成していくことも楽しんでいます。生徒さんにも完成して行く段階を見るのが楽しかったり、きれいにできたことが嬉しい。そんな過程を楽しんでほしいと思います。

これまでにもレッスンで作った帽子を被ってレッスンに参加する子、作ったエプロンを「調理実習のときに絶対使うんだ」と嬉しそうに話す子がいました。壊れたら捨てて新しいものを買うこともできる一方で、「時間をかけて作ったものだから、修理して長く使おう」と思えるような指導をしていきたいですね。

――ソーイングそのものの魅力はどんなところにあると思いますか。

堀居先生:本当に小さなステップの積み重ねが、形を作っていくことだと思います。パターンを作るときも、ミリ単位で調整しますが、油断して適当になってしまうとそれなりのものになってしまいます。

「面倒だな」と思える細かい作業をコツコツやることで、美しいラインや表情につながりますし、ひとつひとつ手を抜かずにていねいに仕上げたものは必ず応えてくれます。それが好きなので、ソーイングはやめようと思ったことはないですね。

ヴァレイ

――今後の展望についてお聞かせください。

堀居先生:ミシンがあって、気軽にお子さまがソーイングを学べるような教室が、全国の身近な場所にある......といった環境を作って、もの作りを楽しむ仲間を増やしていきたいです。

「ミシンなんて私にできると思えない」なんて人もいますが、一歩踏み出してみたら「結構できるかも?」なんて気づいていただけるものをやっていきたいですね。

――ミシンが苦手な人も、「実際やってみたら面白かった」と気づける講座であればハードルも下がりますね。

堀居先生:ミシンが苦手な人って、授業でやったときに「下糸が絡んでしまった」「怒られてしまった」なんて経験から避けてしまっていたこともあるかもしれません。「今のミシンは押さえが降りていないと音で教えてくれるから大丈夫ですよ」「足でスイッチをパッと離せば止まりますよ」と教えることで、ミシンの苦手意識を取り除けるようにしています。

――ソーイング初心者の方も「なかなか上達できない」「思ったような作品ができない」といった壁にぶつかることが多いと思われます。そんな方にアドバイスをいただけますか。

堀居先生:やはり「こうしたら上手くいった」と気づけるまで、繰り返しトライすることが大切だと思います。

また、「ひとりで悩むより誰かに習う」こともおすすめしたいです。習うではなくても、誰かと一緒にワイワイ仲間と情報を共有したり、刺激し合うことで見えてくるものもたくさんあるはずです。

取材を終えて


ソーイングオアシス

お子さまの生徒さんの可能性を引き出せるよう、コミュニケーションを通して「どうしたい?」を引き出す工夫をされているとお話されていた堀居先生。
能動的に「やり直したい」「上手くやる方法を教えてほしい」など、お子さまが考えて動くように導くことを大切にされていることが印象的でした。

そして初心者の方にとって、ソーイングはなかなか上達につながらなかったり、完成のイメージができなかったりと課題に直面することもあるかもしれません。だからこそ、何度もソーイングに挑戦し、ときには仲間と刺激し合いながら学ぶことの重要性についても堀居先生はお話ししていました。

大人は子どもの興味や関心を引き出し、モチベーションが続くようにサポートすれば、子どもは自分なりに解決方法を見つけて「主体的」に行動できるようになるのでしょう。

VALLEY SEWING JAM (ヴァレイソーイングジャム)

子供の習い事

VALLEY SEWING JAM(ヴァレイソーイングジャム)は、
「日本の縫製業を次世代につなぐ」というビジョンを掲げる奈良県の縫製工場ヴァレイにて子どもたちへ"作る楽しみ”を伝える教室として、6歳から通える子ども洋裁教室をスタート。

「自分が何かを作る側になる」ことで自分の価値観を養い、ものを大切にする心や感謝する心を育む。
VALLEY SEWING JAMではソーイングの基礎から応用まで幅広く楽しく技術の習得ができるよう独自のカリキュラムを活用し、SDGsや思考力を育む環境を提供しています。

現在は全国に11校200名の生徒が在籍中。(2022/11時点)
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