本革パスケース(準備~縫製)

難易度

所要時間 60分

職業用ミシン「Nouvelle1000」では、本革も縫えることをご存知ですか?

職業用ミシンを使って本革のカードケースを縫ってみましょう。
革を縫うための下準備から縫い方のコツまでをご紹介します。

※こちらの動画では、ブラザー製のNouvelle1000(ヌーベル)を使用しております。ご利用メーカーによって機能が異なる場合がございますので、各製品のHPまたは、取扱説明書をご確認ください。

道具・材料・パーツの準備


道具・材料
 用意する道具・材料

[道具]
・型紙
・キリまたは鉄筆
・定規
・カッター
・カッターマット
・穴あけ用ポンチ
・ハンマー
・トコ処理剤
・ヘラ付きヘリ磨き
・綿棒
・やすり
・革用接着剤

[材料]
・ヌメ革(厚さ2mm程度) 13×20cm
・パスケース用セルシート

型紙

厚紙などで型紙を作ります
型紙の大きさ

革の下処理と裁断


革の下処理

天然皮革には、滑らかな面(銀面)と毛羽立ってざらざらとした面(トコ面)があります
トコ面の手触りをなめらかにし、耐久性を持たせるために「トコ処理」をします

0:23 トコ面にトコ処理剤を塗り込みます

0:28 ヘラを使ってツヤが出るまで磨きます

【注意】トコ処理剤が銀面に付くとシミになる恐れがあるため、銀面に付かないよう注意しましょう

印つけと裁断

0:34 革の銀面(滑らかな面)に型紙を置き、キリや鉄筆で縁をなぞって写し取ります

0:42 カッターを使い、印に沿って裁断します

0:47 窓のカーブの部分は予め四隅にポンチで穴を開けてから裁断すると、形がキレイにそろいます

カーブはポンチでカット

1:01 裁断ができたら断面をやすりで整えます

1:05 断面にもトコ処理剤を塗り込み、トコ面と同じように処理します

Point:銀面にトコ処理剤が付かないよう、綿棒などを使いましょう

1:10 光沢が出るまで磨いたら、ヘリ磨きの溝を使ってさらに磨き、形を整えます

へり磨きの溝で磨く

セルシートを貼る

1:16 トコ処理剤が乾いたら窓パーツにセルシートを貼ります

1:19 トコ処理剤を塗った部分は表面がコーティングされて接着剤が付きくにくくなるため、貼り合わせる部分はやすりを使って表面を荒らしておきます

貼り合わせるところにやすり

1:25 セルシートと窓パーツのふちに接着剤を塗ります

接着剤をつける部分

Point:接着にゴムのりを使う場合はのりが乾いてから貼り合わせます
※ご利用の「のり」によって処理が異なる場合がございます。仕様上の注意をご確認ください

ぬい合わせる準備


道具・材料
 縫うための道具と材料

・本体パーツ
・窓パーツ
・段付き押え
・スムース押え (※製品専用の純正アクセサリーの販売はございません 詳細は「よくあるご質問」をご覧ください)
・レザー用ミシン糸(30番)
・レザー用ミシン針(16番)

ミシンの準備
 
ミシンの準備の手順

1:55 押えを革やビニールなどの滑りにくい素材に適した「スムース押え」に交換します

Point:用途に合わせて様々な押えに交換することができます。縫いたい素材や目的に合った押えを活用してみましょう

2:08 針をレザー用の針に交換します

Point:Nouvelle1000は取り付け部分が平らな家庭用ミシン針仕様のため、針の向きを間違いにくいです

2:15 糸は30番の太さのレザー用ミシン糸を使います

Point:Nouvelle1000には「太糸ガイド」が付いているため、太い糸を使うときの糸調子がとりやすく、20番〜30番の糸を使ってもキレイに縫うことができます

太糸ガイド

2:31 押え圧つまみを回し、押え圧を強めに設定します

【注意】革の表面に送り歯の跡がついてしまう場合は、押え圧を弱めます。試しぬいをして最適な強さに調節しましょう

2:40 「ドロップフィードつまみ」で送り歯の高さを調節します

送り歯の高さを変える

2:43 準備ができたら試しぬいをし、ぬい目の長さや糸調子を確かめます

糸調子

パスケースを縫う


3:01 窓のふちにステッチを入れます

窓のふちにステッチ

Point:押えの端〜生地端の距離を一定に保つとまっすぐに縫えます

Point:ぬい目の長さは細かく調節できます。直線部分は3〜4mmのぬい目、カーブの部分は少し細かいぬい目にするなど素材や目的に合わせて調節しましょう

カーブは細かいぬい目

3:37 窓パーツと本体を貼り合わせます

Point:窓パーツと本体の接着面の両方に接着剤を塗り、乾いてから貼り合わせます

3:46 ふちにステッチを入れてぬい合わせます

本体のふちにステッチ

Point:厚みのある部分を縫う時には段付き押えを使うと、生地端を段差に沿わせながら安定して縫うことができ便利です

段付き押え

4:02 返しぬいをしてぬい始めましょう

※返しぬいレバーを使わない返しぬいの方法については、下記  [参考]返しぬいレバーを使わない返しぬい をご覧ください

Point:段付き押えがない場合は、針板についている基準線を目安にするとキレイに縫うことができます

4:18 角の部分が近づいたら角までの距離を確かめ、ぬい目の長さを調節して最適な位置に針を下ろしましょう

角を曲がるとき

4:26 角を曲がる時は針を下ろしたまま押えを上げて向きを変えます

Point:ぬい終わりも返しぬいをしましょう

[参考]返しぬいレバーを使わない返しぬい
 
返しぬいレバーを使うと、返しぬいの方が針目が少し短いために針目が合わない場合があります

返しぬいの針目が合わない

返しぬいレバーを使わず、針目を合わせて返しぬいをする方法をご紹介します

4:43 針が上がった状態で押えレバーを上げ、生地を手前に引きます

4:46 ぬい目と針の下りる位置を合わせ、押えを下ろします

4:48 プーリーを回して針を下ろします

同様に繰り返し、3針返しぬいをします

ぬい目の長さを大きくした場合も、返しぬいの長さを合わせてキレイなぬい目に仕上げることができます

[便利機能]針位置解除ボタン

5:08 「針位置解除ボタン」を使うと、針の止まる位置を切り替えることができます

点灯中
消灯中

・「針位置解除ボタン」が点灯しているとき
 常に針が生地に刺さった状態で止まる

・「針位置解除ボタン」が消灯しているとき
 コントローラーを離した位置ですぐに止まる

針を下ろしたまま生地の方向を変える場合は点灯、思い通りの位置ですぐに止めたい場合には消灯させるなど、用途に合わせて切り替えができます

[便利機能]自動糸切り機能

5:20 ボタンひとつで糸切りができる自動糸切り機能を使うと、ぬい終わりがスムーズです



厚みのある本革もキレイなぬい目で縫えました!
職業用ミシンNouvelle1000の機能を活用して、さまざまな作品に挑戦してみましょう

型紙のダウンロード

このレシピのよくある質問

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